はじめに 色温度(いろおんど)は、光の色合いを表す物理的な指標であり、私たちの生活や産業活動に深く関わっています。印刷、テキスタイル、塗料、自動車、プラスチック、食品パッケージなど、色が重要な意味を持つ分野では、色温度の理解が欠かせません。 特に、色を正確に評価・管理する業務に携わる方にとって、色温度は品質やブランドイメージの維持に直結する要素です。本記事では、初心者の方にも分かりやすく、色温度の基本概念から産業における活用事例、測定方法、よくある誤解までを解説します。 1. 色温度とは何か 色温度は、黒体放射(こくたいほうしゃ)の概念に基づく指標です。黒体とは、すべての波長の光を完全に吸収し、かつ温度に応じて光を放射する理想的な物体のことです。加熱したときの色を、xy色度図上にプロットすると、下図のようになり、黒体の軌跡と呼びます。温度によって光の色が変化します。 例えば、約1,000Kでは暗い...
1. 表色系とは? 表色系(ひょうしょくけい)とは、色を数値的に表現する方法や基準のことです。私たちは普段、色を「赤」「青」「緑」と言葉で認識しますが、機械やコンピューターは色を数値で扱います。そこで、どのように数値化するかを決めたのが 表色系 です。 具体的には、色を表すために「明るさ(輝度や反射率)」や「色味(色相、彩度)」などを数値化し、色を座標上にマッピングします。 これにより、異なる機器や環境間でも「同じ色」を再現・比較しやすくなります。 2. 表色系と色空間とは? 初心者にとって「表色系」と「色空間」は似たように聞こえますが、実は意味が少し異なります。両者の違いと関係を理解することで、色管理の基礎知識がより明確になります。 表色系(Color System)とは? 表色系は、色を数値で表現するための方法や原理のことを指します。つまり、色をどのよ...
はじめに 私たちが日常生活で「色」として認識しているものは、実は光の波長によるものです。その中でも、人間の目が感知できる範囲の光を可視光スペクトル(かしこうスペクトル)と呼びます。 この概念は印刷、デザイン、自動車塗装、産業用塗料など、幅広い分野で色を正しく扱うための基礎知識となります。この記事では、初めて可視光スペクトルを学ぶ方でも理解しやすいように、仕組みから応用まで解説します。 1. 可視光スペクトルの基本 光とは何か? 光は電磁波の一種で、波長(はちょう)によって性質が異なります。電磁波には、ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波、電波などがあります。その中で、**380〜780ナノメートル(nm)**の波長を持つ電磁波が人間の目で見える光、つまり可視光線です。 可視光とは何か 可視光(かしこう)とは、人間の目で知覚できる電磁波の一種で、波長...
自動車業界で分光測色計がないと起こりうる5つの問題 分光測色計は、自動車業界、特に自動車の色彩管理において不可欠なツールです。これらの高精度な機器は、塗料の色を正確に一致させ、自動車の仕上げに必要な基準を満たすことを保証します。 分光測色計がなければ、車両の塗装作業の品質、効率、そして全体的な満足度に影響を与えるいくつかの問題が発生する可能性があります。 問題が発生する可能性がある 5 つの点は次のとおりです。 1. 不正確な色合わせ 問題:自動車業界における最大の課題の一つは、車両の修理や再塗装において完璧な色合わせを実現することです。 分光測色計がなければ、照明、塗装の経年劣化、メーカーのカラーコードの違いにより、塗装の正確な色合いを一致させることが難しくなります。 結果:元の塗装部分と再塗装部分で顕著な色の差が生じ、車両の美観を損なうだけでな...
電機・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限に関するEU指令の最近の改定により、2025年2月24日までに、特殊用途向けの多くの蛍光灯に適用されている水銀に関する、現行の適用除外が撤廃されます。これらは、EU REACH規則の条項 2(b)(4)-Iで定義されています。適用除外撤廃後、欧州では、この適用除外に基づく蛍光灯のテクノロジーを含む新しい機器の販売は出来なくなります。 現在、エックスライト製の標準光源装置 SpectraLight QCに搭載されている蛍光灯は、このカテゴリの適用除外に該当します。 この規制に対応するため、当社は欧州におけるSpectraLight QCの販売を2025年2月24日以降停止しますが、適用除外撤廃後もサービスと交換部品でのサポートは規制の対象とならないため、販売を継続いたします。 この決定を受けて他の地域の国々も、欧州の規制に合わせると予想されます。近い将来、市場ではあらゆる種類の蛍光灯の販売が禁止されるでしょう。 こうした規制強化と、それに伴う蛍光灯製造の縮小により、蛍光灯の供給と調達はより厳しくなり、サプライヤーは蛍光灯の生産を集約しています...
When it comes to color accuracy in the world of print and packaging, having the right tools at your disposal is crucial. We understand how overwhelming it can be to choose from a plethora of options. Fear not, for we’ve simplified your decision-making process. Here’s our list of top color match devices, each catering to different needs: eXact™ 2 Handheld Spectrophotometer for Paper, Corrugated & Carton Boards Ideal for professionals working with paper, corr...
カラー マッチングによる自動車の美観の向上 技術革新が進んでいる現代の自動車業界では、精密さと完璧さに対する要求がかつてないほど高まっています。自動車デザイナーやメーカーは自動車の美観を向上させる方法を常に模索しています。一方、部品メーカーや仕上げの業者は、部品間や工場間で色と外観を一致させるように努力しています。 自動車業界でのカラーマッチングの重要性 適切な色は、視覚的な魅力を高めるだけでなく、ブランドのアイデンティティと職人レベルの技能も反映します。色が間違ってマッチングした自動車のボディパネルを想像してみてください。作品というより目障りな製品になってしまいます。そのため、ここでカラーマッチングを活用し、工場から出荷される車両がすべて指定の色のとおり、正確に再現する必要があります。 自動車業界で分光測色計を使用するには? メタリック、パール、などの複雑な仕上げは、自動車塗料に対しての、革新的なテクノロジーです。美しく見えますが、色再現のコントロールが難しいものです。表面の曲率や見る角度が色の知覚に影響を与える場合など、これらの問題を解決するには、自動車専用の多角度分光測色計...
かかる時間は2秒から7秒です。ほんのわずかな時間だけですが、消費者が多くの購買決定をするための必要な時間です。 これは、よく話題になり、研究された「最初の真実の瞬間」です。 エックスライトの印刷・包装用のカラーマネジメントソリューションは、品質管理、調色、自動化において、優れた効果を発揮します。 色は、「最初の真実の瞬間」において、人を引き付け、人に魅力を伝えるための重要な要素です。これは、ブランドと消費者の関係において、最初に正しい色を得ることが非常に重要になります。 ブランドマネージャーやパッケージデザイナーは、製品にふさわしい位置を作り出すため、数えきれないほどの時間とエネルギーを投資しています。 製品の包装と開封は、消費者にとって、繰り返しの面白い体験となり、製品の魅力を高める効果もあります。そのため、製品が毎回登場するたびに、デザインの意図を確実に実現することが重要です。消費者が製品に触れるたびに、一貫した体験を生み出せるための基礎となるものです。 パッケージ印刷の大規模生産が必要な場合、カラーコントロールと一貫性は、特につかみどころ...
他人から「りんご」と言われた時に、あなたは、赤、緑、黄のどれを思い浮かべますか? もし、顧客から具体的ではない説明で調色を求められたら、どうすればよいでしょうか?。カラーコミュニケーションというとてもシンプルな定義が、カラープログラムの成功を左右することができます。詳しくは、以下のブログをご確認ください。 絵は千の言葉を描けますが、言葉だけでは、千の色を描く事は出来ません。 色に関する循環的な会話は日常に起きるものです。一般的には、誰かが色を少し変えて欲しいという要求から始まります。例えば、もっと暖かく、もっとポップにして、もっとトーンダウンして、などです。あなたも何度か経験したことがあるのではないでしょうか。デザイナーとの電話では、欲しい色が「見えている」と言われたのに、それを表現するための適切な言葉が見つからないことです。あるいは、自分が伝えたつもりの色が出なかった印刷業者との会話も難しいです。 ブランドオーナー、デザイナー、サプライヤー、そしてメーカーは、さまざまな方法で、そして、多くの場合口頭で、期待する色を伝えようとします。さらに、色の説明が伝えられるたびに、それは少しず...
皆様の色の品質管理の工程には、目視評価が含まれていますか? もしそうでないなら、含めた方が良いでしょう。 標準光源装置SpectraLight QCを目視評価ワークフローの一部として使用 どの業種でも、色の評価は、測色計でサンプルを測色するだけではありません。測色計は色を許容範囲内だと表示していても、その結果は必ず人間の目に正しく見えるとは限りません。 顧客からの拒否を最小限に抑えるには、色管理プロセスに照明ブースでの視覚評価を含める必要があります。特に、同じ製品の異なるパーツを生産する場合です。なぜなら、工場内だけでなく、屋外や蛍光灯のある店舗など、世の中にどこで見られても、色の統一感が必要だからです。 本日は、皆様の品質管理の工程を、可能な限りレベルアップするために、目視評価するための10のヒントを紹介します。 目視評価に欠かせない標準光源装置を使用 エックスライト社製の標準光源装置SpectraLight QCは、さまざまな光源の下で色を評価・比較するための制御された環境を提供します。ここでは、標準光源装置の導入によって、色評価の工程を最大限に活用するための 10 のヒント...