はじめに 色温度(いろおんど)は、光の色合いを表す物理的な指標であり、私たちの生活や産業活動に深く関わっています。印刷、テキスタイル、塗料、自動車、プラスチック、食品パッケージなど、色が重要な意味を持つ分野では、色温度の理解が欠かせません。 特に、色を正確に評価・管理する業務に携わる方にとって、色温度は品質やブランドイメージの維持に直結する要素です。本記事では、初心者の方にも分かりやすく、色温度の基本概念から産業における活用事例、測定方法、よくある誤解までを解説します。 1. 色温度とは何か 色温度は、黒体放射(こくたいほうしゃ)の概念に基づく指標です。黒体とは、すべての波長の光を完全に吸収し、かつ温度に応じて光を放射する理想的な物体のことです。加熱したときの色を、xy色度図上にプロットすると、下図のようになり、黒体の軌跡と呼びます。温度によって光の色が変化します。 例えば、約1,000Kでは暗い...

Posted 04 September 2025 by X-Rite Color

1. 表色系とは? 表色系(ひょうしょくけい)とは、色を数値的に表現する方法や基準のことです。私たちは普段、色を「赤」「青」「緑」と言葉で認識しますが、機械やコンピューターは色を数値で扱います。そこで、どのように数値化するかを決めたのが 表色系 です。 具体的には、色を表すために「明るさ(輝度や反射率)」や「色味(色相、彩度)」などを数値化し、色を座標上にマッピングします。 これにより、異なる機器や環境間でも「同じ色」を再現・比較しやすくなります。 2. 表色系と色空間とは? 初心者にとって「表色系」と「色空間」は似たように聞こえますが、実は意味が少し異なります。両者の違いと関係を理解することで、色管理の基礎知識がより明確になります。 表色系(Color System)とは? 表色系は、色を数値で表現するための方法や原理のことを指します。つまり、色をどのよ...

Posted 04 September 2025 by X-Rite Color

はじめに 私たちが日常生活で「色」として認識しているものは、実は光の波長によるものです。その中でも、人間の目が感知できる範囲の光を可視光スペクトル(かしこうスペクトル)と呼びます。 この概念は印刷、デザイン、自動車塗装、産業用塗料など、幅広い分野で色を正しく扱うための基礎知識となります。この記事では、初めて可視光スペクトルを学ぶ方でも理解しやすいように、仕組みから応用まで解説します。 1. 可視光スペクトルの基本 光とは何か? 光は電磁波の一種で、波長(はちょう)によって性質が異なります。電磁波には、ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、赤外線、マイクロ波、電波などがあります。その中で、**380〜780ナノメートル(nm)**の波長を持つ電磁波が人間の目で見える光、つまり可視光線です。 可視光とは何か 可視光(かしこう)とは、人間の目で知覚できる電磁波の一種で、波長...

Posted 04 September 2025 by X-Rite Color

When it comes to color accuracy in the world of print and packaging, having the right tools at your disposal is crucial. We understand how overwhelming it can be to choose from a plethora of options. Fear not, for we’ve simplified your decision-making process. Here’s our list of top color match devices, each catering to different needs:   eXact™ 2 Handheld Spectrophotometer for Paper, Corrugated & Carton Boards Ideal for professionals working with paper, corr...

Posted 08 December 2023 by X-Rite Color

かかる時間は2秒から7秒です。ほんのわずかな時間だけですが、消費者が多くの購買決定をするための必要な時間です。 これは、よく話題になり、研究された「最初の真実の瞬間」です。 エックスライトの印刷・包装用のカラーマネジメントソリューションは、品質管理、調色、自動化において、優れた効果を発揮します。     色は、「最初の真実の瞬間」において、人を引き付け、人に魅力を伝えるための重要な要素です。これは、ブランドと消費者の関係において、最初に正しい色を得ることが非常に重要になります。 ブランドマネージャーやパッケージデザイナーは、製品にふさわしい位置を作り出すため、数えきれないほどの時間とエネルギーを投資しています。 製品の包装と開封は、消費者にとって、繰り返しの面白い体験となり、製品の魅力を高める効果もあります。そのため、製品が毎回登場するたびに、デザインの意図を確実に実現することが重要です。消費者が製品に触れるたびに、一貫した体験を生み出せるための基礎となるものです。 パッケージ印刷の大規模生産が必要な場合、カラーコントロールと一貫性は、特につかみどころ...

Posted 15 March 2023 by Cindy Cooperman

他人から「りんご」と言われた時に、あなたは、赤、緑、黄のどれを思い浮かべますか? もし、顧客から具体的ではない説明で調色を求められたら、どうすればよいでしょうか?。カラーコミュニケーションというとてもシンプルな定義が、カラープログラムの成功を左右することができます。詳しくは、以下のブログをご確認ください。 絵は千の言葉を描けますが、言葉だけでは、千の色を描く事は出来ません。 色に関する循環的な会話は日常に起きるものです。一般的には、誰かが色を少し変えて欲しいという要求から始まります。例えば、もっと暖かく、もっとポップにして、もっとトーンダウンして、などです。あなたも何度か経験したことがあるのではないでしょうか。デザイナーとの電話では、欲しい色が「見えている」と言われたのに、それを表現するための適切な言葉が見つからないことです。あるいは、自分が伝えたつもりの色が出なかった印刷業者との会話も難しいです。 ブランドオーナー、デザイナー、サプライヤー、そしてメーカーは、さまざまな方法で、そして、多くの場合口頭で、期待する色を伝えようとします。さらに、色の説明が伝えられるたびに、それは少しず...

Posted 15 March 2023 by Cindy Cooperman

皆様の色の品質管理の工程には、目視評価が含まれていますか? もしそうでないなら、含めた方が良いでしょう。 標準光源装置SpectraLight QCを目視評価ワークフローの一部として使用 どの業種でも、色の評価は、測色計でサンプルを測色するだけではありません。測色計は色を許容範囲内だと表示していても、その結果は必ず人間の目に正しく見えるとは限りません。 顧客からの拒否を最小限に抑えるには、色管理プロセスに照明ブースでの視覚評価を含める必要があります。特に、同じ製品の異なるパーツを生産する場合です。なぜなら、工場内だけでなく、屋外や蛍光灯のある店舗など、世の中にどこで見られても、色の統一感が必要だからです。 本日は、皆様の品質管理の工程を、可能な限りレベルアップするために、目視評価するための10のヒントを紹介します。 目視評価に欠かせない標準光源装置を使用 エックスライト社製の標準光源装置SpectraLight QCは、さまざまな光源の下で色を評価・比較するための制御された環境を提供します。ここでは、標準光源装置の導入によって、色評価の工程を最大限に活用するための 10 のヒント...

Posted 15 March 2023 by X-Rite Color

はじめに 私たちは日常生活の中で無意識に色を認識しています。赤いバラ、青い空、白い紙などです。 しかし、「なぜ色が見えるのか?」と聞かれると、明確に説明できる人は少ないかもしれません。色が見える仕組みは 光・物体・人間の視覚 という3つの要素が関わる現象です。 本記事では、この3つの要素を中心に、初心者でもわかるように色の見え方を解説します。印刷・デザイン・塗装など、「色が見える仕組み」を理解することは、色を扱う仕事をしている方にも役立つ内容です。 1. 色が見えるための3つの要素 色の見え方は、単独の要素で決まるわけではありません。 光源(照明)、物体、人間の目と脳 が相互に作用して初めて色が見えます。 1.1. 光(光源) 色の認識は光から始まります。光は電磁波の一種で、その中でも私たちの目に見える範囲(波長380〜780nm)を 可視光と呼びます。 ...

Posted 30 January 2023 by X-Rite Color

デジタル技術は、印刷業務に革命をもたらしています。オフセット印刷会社が品質向上や、コスト削減、生産性向上の方法を模索する中で、インキの要素が見過ごされがちです。これは大きなミスです。なぜなら、オフセットインキが仕様を満たしていなければ、印刷現場での標準化の努力はすべて無駄になってしまいます。 適切なツールを選定すれば、インキ調色はエンドツーエンドのカラーワークフローには、不可欠な部分となり、サイクルタイムを短縮でき、利益を増大させることができます。本記事では、より持続可能で費用対効果の高い印刷工程を実現するため、より少ないステップ、より少ない廃棄物で、管理者ができる理想的なデジタルワークフローを解説します。 デジタルオフセットリソグラフィー印刷用のインキ調色テクノロジー 最高のインキを確保することは、顧客が要求するカラー品質と一貫性を維持するために重要です。許容範囲外のインキは、準備時間の延長、不合格時の再作業を増やします。さらに、インキエラーから回復するには時間もコストもかかります。管理にデジタルワークフローを導入することで、エラーを減らし、印刷までの工程も合理化できます。 オフセ...

Posted 07 November 2022 by X-Rite Color

なぜ分光測色計の校正が必要なのか? 分光測色計は現在、ほとんど100%デジタル化されています。実際、電球以外、アナログ部品はほとんどありません。デジタルは、アナログと比べ、安定性が高いものの、 許容誤差が非常に小さくなっています。このような厳しいスペックに収まるため、定期的に分光測色計の校正を行う必要があります。 電球の安定性 分光測色計と電球を使用し続けると、性質が変わり始めます。分光測色計の校正は、 このような電球の光生性能を補正するためです。慎重に校正を行うことで、電球の寿命が尽きるまで、何か月、あるいは、何年も安定した測定が可能になります。 タイルとレンズの清浄度 装置内には、色空間における2つの既知ポイント、すなわち定義された白と黒の設定があります。工場では、白のキャリブレーションタイルを定義するため、完全な反射率曲線が作られ、さらにブラックトラップ内の黒点を定義するため、完全な反射率曲線が作られました。白と黒の正確な位置は、キャリブレーションのため、デバイス内に設置されました。 白いタイルが少し汚れると、白い点が横軸の黒に向かって下がります。白点だけでなく、その線上にあ...

Posted 03 November 2022 by Mike Huda